3相ブラシレスDCモーターの制御
3相ブラシレスモーター
駆動方式
矩形波駆動
PWMをそのまま利用して動かす方式。と言うと誤解がありそう…
PWMでモータードライバとなるFETやトランジスタを制御して、モーターに電力を伝える。モータードライバは、PWMでON/OFFするプリドライバと、実際にモーターに電力を伝えるためのパワードライバの2段階で組まれることがある。
正弦波駆動
正弦波駆動のメリットは、矩形波駆動に比べて回転制御がスムーズな為、効率よく軸を回転させることが出来る。また駆動音が小さくする事が出来る。
デメリットとしては、PWM制御で正弦波を生み出すためのインバータ回路が必要となる為、回路の規模が少しだけ大きくなる。
正直よく知らない。
回転速度及び位置推測
- モーターに掛かる電圧を測り、位置や速度を推測するセンサーレス方式
- 物理的なセンサ(ホール素子等)を使った回転速度計測及び位置計測による方式
センサレス制御
センサーレス制御に関しては、その方法が非常に幅広い。
基本的には、モーターの回転による発電効果によって観測されてる誘起電圧(逆起電圧)を計測し、ゼロクロス点を算出する。
誘起電圧を計測する
誘起電圧を計測するには、モーターの端子とGND間の電圧を計測する。ただしここで検出される電圧は、モーターを回そうとする為の電圧と、モーター自身から発生する誘起電圧が合成された電圧が現れる。
計測される合成電圧は、両端が滑り台の様になった、台形の形となって現れる。
3相(3線)なので3種類の電圧を計測して利用する。この3つの電圧は、U,V,Wと表す事が多い。
ちなみに、ここからモーターの誘起電圧のみを取り出すのは容易ではないらしい。(よく知らない)
計測する目的としては、後述するゼロクロス点を求め、モーターを回す為の信号の切り替えを行う事が目的であり、その為に本当の意味での誘起電圧を取り出す必要はないので心配いらない。
ゼロクロス点とは?
3相DCブラシレスモーターの回転から生まれる電圧の変化は、正弦波の様な波として観測され、+方向からー方向へ転換する瞬間をゼロクロス点と言う。
検出の元となる誘起電圧の波をモーターに掛かる電圧から取り出した場合、前述の通りその波の成分だけを取り出すのは難しい。
だが合成電圧のちょうど半分となるポイントがゼロクロス点となる事実を利用して、合成電圧のMAX(モーターを回そうとしている電圧)を、精密抵抗等で1/2に分圧した電圧とコンパレータで比較し、コンパレータの出力が切り替わる瞬間をゼロクロス点とすれば良い。
その他の制御
- ベクトル制御
- 合成電圧の両端の傾斜を積分して、閾値を超えたら転換するInstaSpinで使われる方式「回路設計成功のカギ」シリーズ - 簡単、センサレスでモーターの安定回転を実現 - TI
ベクトル制御
要するには、ADで検出した値から、モーターの位置を把握する技術の一つで、クラーク変換とパーク変換とか言うのを用いて変換する。
http://www.semicon.toshiba.co.jp/product/micro/mcupark/vector/1323680_29030.html
物理センサ
ホール素子等の物理的なセンサを使った方式は、その値やタイミングを計測することで比較的容易に、モーターの回転速度や位置を推測することが出来る。ただし、モーター側にホールセンサ等のセンサが付いている(付ける)必要がある。
センサーレスの場合においても、コンパレータを用いた誘起電圧の計測は、何かしらの"センサ"と言えるので、どちらにしても"センサ"は必要な気がする。
ホール素子
ホール素子とは、電流と磁場の関係から出てくるホール効果(ホール効果 - Wikipedia)によって得られる電圧を検出する半導体である。
ホールIC
上記のホール素子から得られる電圧を1と0のデジタル2値にして出力する物がホールICと呼ばれる????(多分)
参考資料
東芝さんが提供しているe-ラーニングのブラシレスモーターのページが非常にわかりやすい。
http://documentation.renesas.com/doc/products/mpumcu/apn/rjj05b0181_m16cap.pdf
モータードライバ(コントローラー)IC
正弦波駆動でセンサーレス制御のパッと使えるICがあれば良いのだが、中々良い物あ見つからず。ホビーユースで使うとすれば「TB6575FNG」が矩形波駆動だがセンサーレスでパッと使えそうな感じ。
TB6575FNG
http://www.semicon.toshiba.co.jp/product/linear/mcd_detail/1307889_13272.html
http://www.toshiba.com/taec/components2/Datasheet_Sync/200809/DST_TB6575FNG-TDE_EN_12013.pdf
http://www.toshiba-components.com/motorcontrol/pdfs/ANs/Apli%20NoteTB6575FNG_20080325)_E.pdf
MOSFETアレイ
モーターを駆動させるためには、モータードライバICが内蔵している物を利用するか、MOSFETアレイを利用する必要があります。SLA5064のような製品を使うことで、モーターをドライブさせるためのMOSFETアレイを簡単に手に入れることが出来るみたい。
SLA5064
http://www.semicon.sanken-ele.co.jp/ctrl/product/detail/SLA5064/
参考文献
FETで作ったパワー段のドライバ回路
http://www.geocities.jp/mimiin/tips/fet/fet.html
http://www.cqpub.co.jp/hanbai/books/41/41471.htm